我が家には猫がいます。大体14歳、雑種のオス。
大体なのは捨て猫だったからです。大体14年前に友達が捨て猫を発見して、色々ありましたが我が家で一緒に暮らすことになりました。
猫股とかぎしっぽの関係や猫又のルーツについて知りたい方は「日本にかぎしっぽの猫が多い理由」から読んでみてください。
我が家のかぎしっぽ猫は猫又になれるか
彼の名前はバロン。当時まだ友達だった夫が『耳をすませば』のバロンから名付けました。間違いなく雑種ですが、とても毛並みが良いです。
実家の猫は筋肉質なのかミチっとしているけど、彼はだるっとしています。だから膝の上に乗ってくると気持ちいい。この柔らかい肉感は猫にしかない。猫の中でもきっと彼にしかない。年をとって性格が丸くなった最近は、腹に顔をうずめても許されます。
彼は私に大した期待をしていないので、一緒に暮らしていて気が楽です。
犬も好きですが、期待に満ちた眼差しがちょっと辛い。実家の犬をたまに愛でるくらいがちょうどいい。
老い猫に差し掛かった今でもやんちゃで、夜中の運動会はいまだ頻繁に開催されます。息子が1歳ぐらいまではせっかく寝かしつけたところを運動会で起こされ、何度もうらめしく思ったもの。
我が家に来たばかりのころ、私はあまり猫のことを知りませんでした。
カギしっぽは「私と出会う前、交通事故か何かで骨が曲がってしまったんだ」と勘違いしてた。
かぎしっぽの猫は遺伝だって知ってましたか?そして、かぎしっぽの猫は日本に多いのはどうして?
日本にかぎしっぽの猫が多い理由
カギしっぽは日本の猫に多いそうですが、この理由にはちょっと面白い説があります。
江戸時代の人、猫又怖がりすぎ説
江戸時代に流行した怪談話の「猫又(猫股)」では、飼い猫は長生きするとしっぽが2つに割れ、猫又になると言われていたそうです。
他にもいくつか条件があるようですが、猫又になるにはしっぽがまっすぐなのがポイント。
そこで猫又を恐れる気持ちからカギしっぽの猫が好まれ、だんだん増えていったという話です。
「江戸時代の人たちって純粋だな」とは思いますが、現代みたいにテレビやネットがなければ噂話の影響力が大きかっただろうし、信じるよね多分。
貿易船でかぎしっぽ猫めっちゃ増えた説
鎖国中でも日本と貿易をしていたオランダが、船にネズミ駆除の目的で乗せていた猫が日本で増えたという話。南蛮渡来の猫はカギしっぽが多かったから、貿易をするうちにカギしっぽの猫が増えていったと。
ネズミ駆除のためという説の方が納得しやすいですが、猫又説はロマンがありますね。
徒然草にも登場する猫又
日本三代随筆の一つ、「徒然草」にも猫又が登場します。
猫又が出てくるのは89段。
原文)「奥山に、猫またといふものありて、人を食ふなる。」と人の言ひけるに、
「山ならねども、これらにも、猫の経上りて、猫またに成りて、人とる事はあなるものを。」
訳)「山の奥には猫又がいて、人を食うんだってさ」とある人が言うと、
「山じゃなくたってこの辺でも猫が年取って猫又になって、人の命をとることもあるらしいぞ」
人を食うんですって。怖いです。
鎌倉時代末期に書かれた徒然草は当時あまり注目されず、江戸時代になってから庶民の間で身近な古典として愛されたそうです。
日々の出来事や考えを綴るブログ的な内容の徒然草は、血気盛んな戦国時代にはマッチしなかったんですね。
江戸時代にヒットしたことで、怪談話の「猫又」のルーツの一つになったのは間違いないでしょう。
初老のカギしっぽ猫を猫又にする方法
おすましver. #ねこの日 pic.twitter.com/LFiQmY3U3b
— わたやみき@生活系ライター (@misaki_wn) February 22, 2019
彼は最近子猫のように「ふみふみ」をよくするようになりました。
掃除機を出すと「シャー」と威勢よく威嚇しながら隠れる程度には元気だけど、甘えん坊な様子から老い猫感がにじみ出ています。
子猫は可愛いけど、うちの老い猫も日々可愛い。
ソファを爪とぎにして得意になっている顔も可愛(むかつくけど)
寝起きのふてぶてしい顔も可愛い(口臭いけど)
この生き物といつか別れるなんて嫌だなぁ。猫又になってずっとうちにいればいいのに。
そんなわけで、「カギしっぽの猫を猫又にする方法」を探します。
長生きして猫又になれば言葉もしゃべれるようになるとな。なんて楽しそうなファンタジー。
猫又になるには20年くらい長生きしないといけないそうなので、まだまだ頑張ってもらいたいところ。
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