忘れ物はあなたのせいじゃないかも。意外に知られていないADHDの話

忘れ物はあなたのせいじゃないかも。意外に知られていないADHDの話

「忘れ物が多い」って、人から見たら軽く見える悩みかもしれません。
でも、悩んでいる本人は辛いんですよね。

私は小学生のときから忘れ物が多いと自覚していて、自分が嫌で嫌でたまりませんでした。

「だらしない」、「うかつ」、「抜けている」と、人に言われることもありましたが自分が1番思っていたんです。

子どものころから大人になってみても、忘れ物癖は全然治っていませんでした。

性格だと思っていましたが、別の理由で心療内科にかかったときADHDと診断され、治療で劇的に忘れ物が減ったんです。

今、忘れ物やなくし物がひどくて悩んでいる人に向けて、あなたのせいじゃないかもと伝えたい。
忘れ物はADHDのせいかもしれなくて、薬で改善できるかもしれない。

安易に薬をすすめているのではなく、悩んでいるなら医療機関を受診して相談してみてほしい。
この記事はそんな気持ちで書いています。

忘れ物が多いのはADHDのせいかも

ADHDというと「落ち着きがない」、「空気が読めない」といった症状をイメージする人が多いのではないでしょうか。

しかし、ADHDには「忘れ物や失くし物がひどい」という症状もあるのです。

忘れ物がひどいだけでは周囲にADHDと認識されづらいので、他の症状が軽いと「単なるだらしない人」、「忘れっぽい人」と思われがち。自分は生まれてからずっとそんな感じだから「性格のせい」と思い込んでしまう

忘れ物や失くし物は頻繁だと生活や人間関係への影響が大きいんです。

私は、夫からもらったプレゼントをほとんどなくしているし、もらった日になくしたこともあります。ダブルブッキングや約束を忘れてしまうことも… 

その度に本当に申し訳ない気持ちになって、「どうしてこんなにダメなんだろう?」、「なんでこんなにだらしないんだろう?」と自分を責めていました。

頑張って頑張って、「絶対になくさない!」と決意してもすぐにまたやってしまうんです。ADHDの診断を受けたとき、「あぁ、性格のせいだけじゃなかったんだ」と、少しほっとしたような気分になったのを覚えています。

ADHDの診断後、忘れ物が改善した理由

私は子どもを産んでからしばらくして産後うつ・パニック障害になって心療内科を受診。そこでADHDが発覚しました。

カウンセリングの中で「昔から忘れ物がひどくて人生を送るうえで大きなストレス」と話したところ、先生が「あまり気にすることはないけど、ストラテラっていうお薬飲んでみる?」と軽い感じで提案してくれたんです。

ストラテラは効果が出るまでに1ヵ月以上かかるので、いきなり変わった感じはありませんでした。

もちろん個人差があるとは思うけど、私の場合はゆっくりじわじわ効いてきて、気が付いたら「数えてみたら一週間、忘れ物してないなぁ」という感じ。それが1ヵ月になって、半年になって、1年になったって感じです。

これは以前の私ならあり得ないこと。毎日のように忘れ物してたから。

今、忘れ物に対してどれくらい気をつけているかというと、家を出る前に最低限必要な物を持っているか確認するくらい。普通のことしかやってない。「4点セット」とか自分で決めてるんだけど、以前はそんなことやってても絶対に忘れ物してたもんなぁ。

自立支援医療で薬代の負担を軽くできる

ストラテラという薬は高いです。40mg錠で461.2円もするお薬です。

1日の使用量は80mg~120mg。80mgでも1日約900円かかることになります。

3割負担でも約400円… 1ヵ月飲んだら約12,000円になっちゃいます。

「そんなに高いんだったら今のままでいいや」と思う人もいるかもしれませんが、自立支援医療を利用すれば3割→1割の負担ですみます

厚生労働省のサイトには、「精神保健福祉法第5条に規定する統合失調症などの精神疾患を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する者」と記載されているので、継続して通院している人なら使える制度です。

申請して制度を利用できれば自己負担額は約4,000円に。自立支援医療の制度を利用すれば、所得に応じて1ヵ月あたりの負担額の上限が決められるので、無理のない負担額となります。

参考

医療用医薬品 : ストラテラ

自立支援医療(精神通院医療)の概要|厚生労働省

忘れ物癖は治せるかもしれない

小さなころからの忘れ物グセと別れられたおかげで今は快適です。 普通に気をつけていれば忘れ物しないってことが、こんなに快適だったとは知らなんだ。

でも、できることならもっと早く気づきたかったよ。
ADHDの薬で改善できるんだったらもっと早く知りたかった。

だから、私は人の心の悩みに「気にすることないよ」とは言えない。
その言葉が改善の可能性を奪ってしまうかもしれないから。

周囲が「気にすることないよ」、「誰にでもあることだよ」と私のためを思って言ってくれたのはわかっているけど、「もっと早く改善できていたら」という気持ちはやっぱり湧いてしまうのです。

忘れ物や失くし物で悩んでいる人は、医療機関で相談してみては。
改善すると生活が少しだけスムーズになるよ。

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